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命令する男に、夫婦は非難した。
「お待ちくださいっ!こんな子供に何を・・・」
「昼頃、お前はこの本を読んでいただろう。」
「な、何を仰います?こんな子供にそんな難しい本が読めるわけ・・・」
「この子はまだ三歳なのですよ?三歳の子供が歴史なんて・・・」
「いや、私は確かに見た。お前はこれを読んでいた。違うか?」
「だんな様!いくらなんでも無茶が・・・っ」
「・・・帝歴714年。忠臣エドワード・エネガーによる反乱勃発。ヴェーナ寺院を占拠し王権交代を唱えたが、『シュバリエ・ワン』と『シュバリエ・スリー』の出陣により沈着。エドワード・エネガーは公開処刑前夜に自殺。享年38歳。」
俺は、男に言われた通りに答えた。
すると、夫婦は瞳孔を小さくして俺を凝視した。
その日の午後、夫婦が庭師の仕事に没頭している間、俺は一人で庭を歩いていた。
だだをこねるような子供でもないし、放っておいても定時にはきちんと家に帰る子だからと、夫婦は仕事の間俺を一人にさせていた。
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