迷子の死に神

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一週間前から体調がすぐれない私は今日も会社を休んでしまった。 午前中に同僚からお見舞いメールが来ていて、何度かメールのやり取りをしている間に眠ってしまっていた。 どれくらい経ったのだろう? 耳に布が擦れる音がする。 そして、何かの気配。 私は一人暮らしだから、部屋に誰か居るわけじゃない。 あ、優一かな? 合鍵を渡している彼の名前を呼んでみる。 体調不良だとメールを送っていたから心配して来てくれたのかも知れない。 いくら呼んでも優一の声はしない。 確かに…気配感じたのになあ。 きっと、気のせいだと思い、また眠りにつく… シュシュシュ、 布を引きずって歩くような音がぼんやりと聞こえてくる。 シュシュシュ、 明らかにすぐ近く。 なに? 私は聞こえてくる方向へ視線を向けた。
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