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「だって毎日通ってるから約束しなくても自然とまた明日って言っちゃうでしょ?」
彼女の言葉に納得しつつ、がっかり感もあった。
彼女がもしかして自分に好意あるのかな?とか厚かましい妄想をしていたから…ちょっとがっかり、いや…かなりがっかりだ。
「昨日はバイト間に合った?」
「あ、うん」
慌てて返事を返す。
「どこでバイトしてるの?」
「この先のコンビニ」
「陸くんって大学生?」
「あ、いや…浪人…」
俺は急に恥ずかしくなり後の言葉がゴニョゴニョと言葉にならなかった。
「落ちたの?」
うわ…ストレートに聞く子だな。
普通は…さりげなく話題変えてくれたりするのに。
「ま…まあ、うん、落ちた」
「受け直すんでしょ浪人って言ったから、こんなに毎日バイト行って平気なの?」
うわ…また直球だよ、この子。
本当はバイト行ってる場合ではない。
勉強がちゃんと出来てないから。
「バイト…しなきゃ、浪人は片身狭いからさ」
「確かに片身は狭いわね、仕方ないよ、自分が悪いんだから」
あ…彼女はSかな?
「確かに…」
俺が悪い。
バカのくせに夜も遊び回って、予備校のお金はゲーセンで消えて、それがバレて親に金返せって言われて…仕方なくバイト始めた。
「やっぱり陸の自業自得」
はう…S決定!
事情を説明したら彼女の容赦ない言葉攻めに俺はタジタジ…。
エロい言葉攻めなら大歓迎!
…て、いかん。
「じゃ、彼女とはどうして喧嘩してたの?」
「え?」
「シツコイとか、お前とか、結構険悪だったもんね。」
うーん…彼女、可愛い顔に似合わない性格だよな。
でも、不思議と怒る気がしない。
千恵だったら絶対言い返している。
どうして千恵と喧嘩ばかりになったのかな?
彼女が大学に受かり俺が落ちたから?
浪人だから勉強に専念してってエッチおわずけにされたから?
それとも倦怠期?
「3つ共原因ね」
紗羅はキッパリといった。
やっぱりなあ。
「八つ当たりだね。彼女可哀相」
紗羅の目は俺を責めている。
だって、仕方ないじゃないか!
プライドがさ…。
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