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「ま、とにかくワカハラさん」
彼はしばらくすると、いつもみたいな大人っぽい顔に戻って、私に話しかけてきた
なんていうか…、きりかえの速い人だなぁ
「これ、はい」
五円玉を持った手を突き出してくる
「いらない、です」
これを受け取ったら、彼は来てくれなくなるのかな
そう思ったら、素直に受け取れない私がいる
彼が気になってしょうがないんだもん
来てくれなくなったら…、なんて考えたくない
「ワカさん、はい」
「わ、わかさん…?
もう!ホントにいいですから」
私が一向に受け取ろうとしないと、
「んー、わかった」
彼は諦めたように手を引っ込めた
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