第一章

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「んじゃあ、証拠見せてくれよ。れっきとした証拠をな。」 おっさんは心底驚いた顔をする。 「証拠なら丸々このわしが証拠ではないか。」 「なんかあれだろ、その白い物体を使ってとか言ってたろ?」 またまたスルーされたおっさんは、少し凹みながらも白い物体をこちらに見せる。 「おお…そうだ。まあ、ちとこの中を覗いてみい。」 俺は言われるがままに白い物体を覗く。 「な…ななな……なんだよこれ…!!」 そこにあったもの…いや、存在していたものといったほうが正しいだろうか…画面の中から風が砂ぼこりをこちらに連れてくる。 俺の部屋の地面に砂がパラパラと落ちていく。とにかく、それは教科書などでよく見る景色だった。 「戦国時代……!?」 「ここがわしが生きている時代じゃ。」 耳を澄ますと怒声や、馬の嘶きが聞こえる。 俺はそれでも根気強くおっさんに噛みつく。
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