第一章

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「豊臣秀吉……?」 「よく知っておるな。あやつは猿のごとくよう動くわ。 ……だが、これごときで諦める奴ではなかったのだ、光秀は。 今、向こうでは光秀がわしの本拠地、本能寺に攻めて来ておるわ。 このわしに謀反を起こそうなど…しかも、よりによって部下に命(たま)を獲られるとは、我が名が廃るのう。」 !!もしや、これが本能寺の変か……!? 俺は焦りながらおっさんに詰め寄る。 「お…おっさん!!早く逃げねぇと…!!」 おっさんは哀しく微笑みながら首を振る。横に。 「本能寺には猿がおる。あやつはわしの為に命を顧みなかった。どんな時もな。 …飼い主は最後の最後まで僕(しもべ)の面倒を見なければならぬ。…どんな時もじゃ。」
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