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「猿!この部屋を見張っておけ!」
甚だ高い声の主は、猿と呼ばれた男に向かって叫ぶ。
「信長様!やはり危険です!!やめておかれたほうが──」
「聞こえぬのか?!この部屋を見張っておけと言っておるのだ!!」
信長はさらに大きい声を張り上げる。
「…かしこまりました…お気をつけて…。」
猿─秀吉は渋々と部屋の外に出て、襖の前に立つ。
部屋に残された信長は、懐から何やら白い物体を取り出した。
どう見ても、戦国で作られたようには見えない機械的な箱。それを手のひらに乗せて、蓋を開ける。
「頼む…わしを未来へ導いてくれ…!!!」
信長は機械にそう呟くと同時に、白い光に包まれた。
「信長様!!」
そう叫び、秀吉が部屋の中に入った時には、信長の姿は無かった。
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