第一章

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─2010年 東京─ 俺が今生きている時代は、国民主義の平成。 なーんて言ってるが、本当は金のある政治家達の意見が通り、国民主義なんざ、なっちゃいねぇ。 あ、わりいわりい。俺は健全な高校生で16才。半年前に高校に入ったばっかだ。 名前は織田信彦。なんと!!あの戦国大名織田信長の子孫だ!! ダチとかに自慢するんだけど、いまいち信じてくれねぇんだ。 俺が織田信長の子孫であることは、家を見たら分かる。(…はずなんだぜ?) 俺の家は造りが今時の洋風じゃなく和風。その家の中に信長公の遺産が盛り沢山って訳で。 俺が一番好きな遺産は「天下布武」と書かれた刀。これには信長公の天下統一の熱い意志が表されているんだと。 他にも信長公が愛用した揚羽蝶紋鳥毛陣羽織や、その頃の貨幣である天正大判とかその他諸々…。 これを見せたら一発でみんな信じるんだろうが、なんせ、みんな俺の家に寄ろうとしない。 「織田の家から幽霊が出てくる」 っていう噂が中学で流れてた為、同じ中学だった奴が高校で言いふらしやがった訳だ。 なんつーひでーこと…おっと、おれの紹介はここまで。 見知った顔がニヤニヤした顔でこっちに近寄ってきた。
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