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「ぁ、もしかして……彼氏も未経験?えっと、ゴムはね、コンビニに行けば普通あるわよ。で、カップルで買いに行くとレジで店員にこれから二人でやりますって事がバレます。初めて買うのならそれは公開処刑に等しいですね」
突然先生口調になる先輩。ユニークな所はとても好きです
「……んん~」
「ま、決めるのは花よ。私達の意見はあくまでも参考にするくらいにしておきなさい」
私が画面と睨めっこをしていると、先輩は鞄から扇子を取り出し自分を扇いだ
「いやいや、私ってか全部沙紀先輩の意見じゃん……」
横から優花ちゃんが一言そう言った
「うるせ、愛を知らないマグロ女」
「ハァ!?違うし!したくない派なだけだし」
二人がもみ合いになっている時、私はさっき先輩が言った言葉が頭の中にすっと入ってきた
私が決める……
そうだよね。いくら悩んだって結局最後は私が決める事なんだよね
私が蝶と……したいのか、したくないのか……
そう、決めるのは私
私なんだよ……?
「あ、そろそろ休憩終わりね。午後からは武内先生の稽古よ、きっとキツくなるわ」
「はぁ~、お芝居って楽しいんだけど、大変だよ。どうせ私はまた怒られる」
優花ちゃんはテーブルに手を伸ばし、顔をつけて俯いた
「ばか、怒られんのは幸せな事よ。期待してんだから怒んのよ……花はその辺良く分かってると思うけど」
「よーし、午後も頑張っちゃおうかな!」
私は頬を叩いてケータイを閉まった
「おぉ……なんか花が燃えてるわ」
私達はテーブルを立ち上がり、稽古途中の休憩時間を終えた
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