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さようなら!と花が居間から出て行って、二分程度時間が過ぎ、居間には沈黙しかなかった
俺は居間の真ん中に存在している四角い黒テーブルをじっと見つめ考えた
さ、さーて……一体
どういう顔して会いましょうか?
あの……さようなら!って言われちゃいましたけど……。こんにちはー。って言えばはーい。ってお返事くれますかね?
いやいや、知らんがな
「はぁ……もう」
段々考えるのが面倒くさくなってきて、俺は立ち上がり、花と同じ様に居間を出た
「……」
電気の点いていない真っ暗闇の廊下を見渡す。視界の中に花の姿は見えない
さっきの花は……一体何を言おうと?何で急にあんな態度をしたんだ?花らしくも無い。急にえっちな気分なんでしょ?なんて、どうしたってんだ?
あれじゃまるで誘って……
俺はここである事を思い出した。健治に前に言われた事だ
……それさ、ただお前がやらないだけじゃん。挑戦もしないで相手は多分望んでいない事が分かる。だなんて、お前は相手の気持ち全てを覗けでもするのか?
相手はただ、お前から口にしてくれるのを待っているかも知れないだろ
二人の関係をもっと深めたいと思っているかもしれないだろ。いや、本心はそりゃ分からないけどさ
大事なのは相手じゃなくて、お前がどうしたいか。それをお互いで共有出来てこその恋人だろ
なのにお前は勝手に殻に籠る。それはお前が今まで相手との会話の中で口にもした事がない世界を踏む事で相手との関係が壊れてしまうかもしれないとビビってるだけなんだろ
てゆーかもうすぐ21の彼女持ち童貞て(笑)
しっかり覚えてはいないが多分こんな様な事を言われた気がする
基本バカにしてやがったからこんなカッコ良い事は言ってなかったな。うん、絶対に
勝手にイケメンボイスで脳内再生されてやがる
「花?何処?出ておいで」
俺は珍獣でも探してんのか
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