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蝶に手を引かれてさっきまでいた場所に二人で再び戻って、さっきまでいた場所に座った
蝶の手を握っている時は幸せで、もうずっとこうしていたい……だなんて、昔のドラマみたいな事を考えちゃう
お互いに自由な形でくつろいでいるところに、ちょっと笑いながら言ってきた
「ほんと、この珍獣」
「え?」
珍獣?私が?
「いや、なんでもないよ」
蝶は私を見てくすりと笑った
そのままお互いに黙ったまま、蝶はテーブルの上に置いてあるケータイを手に取り、開いたり閉じたりを繰り返した
私はそのケータイをパチパチとしている蝶をただ体育座りで見つめていた
「……あのね」
「……ん?」
少しの沈黙の空間にまず蝶が口を開いた
私の頭の中には蝶とさっきまでしていた会話がまだ生きていた。心臓がドキドキと、一定のリズムで踊っているのが分かった
「思うよ……その、花とエッチな事……したいって」
「……」
今、始めて蝶の本心を聞いた気がした。その言葉を聞いて私は徐々に顔が熱くなる。そして、きっと変な目で蝶を見てる
蝶の言葉はさっきの私の言葉の返答だった。やっぱり……したかったんだね
多分、私は今、顔が真っ赤
「いや、顔真っ赤にして黙んないでよ!」
私の表情を見て恥ずかくなったのか、蝶も耳を赤くして手を振った
「……」
「な、何か言ってよ」
唇を噛みしめる仕草をして、私を見つめてくる
「ど、どうして……そんなに……ぇ、エッチな事をしたいの?」
言葉が詰まる。恥ずかしい!恥ずかしい!エッチなんて言葉をあんまり使わないから、もう恥ずかしいよ!何かそんなに……とか言っちゃったし
「えぇ?どうして?うーん……そ、それは、花ともっと……」
「親密な……関係になりたいから?」
私の質問には回答を用意していなかったようで、困った様な表情をしていた蝶に私は口を挟んだ
「……」
呆気にとられている蝶に私は続けて言葉を添えた
「……それは、私もだよ」
遂に、そんな事を言っちゃった
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