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当たりを見回してみた
入るときに良く見ていなかったけど、足元には蝶の服や下着が散乱していた
今更だけど、こういう光景をを見てしまうと、さっきまで裸の蝶と一緒だったんだな。と改めて思い、物凄く恥ずかしくなってくる
ていうかもう、なんか凄く行きたくなくなってきて、服に手が伸びない
私なんて小さい頃から恥ずかしがり屋だし、大人になって治ってきたとは言えど、人前で水着着るのでさえもまだ恥ずかしいのに、いきなり裸だなんて!きゃー!と心の中で声をあげる
「どうした?タオルの場所分からない?」
バスルーム内からの浴槽に移動するような音と蝶の声にびっくりして、はっと意識が戻り振り返る
「あ、ううん。なんでもない……よ」
「そうすか」
……てゆーか、蝶は一体どういう気持ちでお風呂につかりながら私を待ってるのかな
てゆーか……わ、私の裸を見たいんだよね?…ぃ、一応……
ゃ、やったー!とかバンザイとかしないのかな?
……い、いやする訳ないじゃない!誰それ!変態な人じゃないんだから。
「ちょっとだけ……待っててね」
「はい……」
「何で敬語なの~!」
「き、緊張してんだよ!ぃ、一応」
敬語だった蝶につい笑ってしまい、蝶もやっぱり緊張しているんだという事が分かった
「えぇ~」
なんか知らないけどハードルが上がる。無償に上がる。もうヤダ!
で、でも……一緒に入ろうって誘われてやっぱりちょっと嬉しかったし……やっぱりここは勇気を出して、は、裸見せるぞ!
あぁ、違くて、別に見せたいわけじゃなくて……
さっきから自分の中で考えが行ったり来たりする
自分の服にそっと手をかけ洋服を脱いだ
……今、下着姿で蝶の前にいるんだ。心拍数もどんどん上昇して、私の頬も染まっていく
私は暖まった頬に手をおいて、すりガラスの扉越しの蝶に視線を向けた
ど、どうやって入場しよう……
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