気まぐれ

19/30
前へ
/751ページ
次へ
で、今度は剣道部を覗きに行くと姫華は言い出している。 が、正直俺はまったく乗る気ではない。いや、だって、この姿をこれ以上大衆にさらしたくないし・・・ え?もう全校集会の時点でアウトだって?・・・・・それを言うな。 「遼一、自問自答は良く無いぞ。他人から見れば変な人だと思われるからな。」 「てことは、さっきまで俺は変な人だと思われてたのか・・・」 「・・・」 そこで何故黙る・・・てか、さらっと読心術やめて。 まぁ、いいや。この話は置いておこう。 「にしても、いつもああやって指導してるのか?」 「指導?・・・あぁ、さっきの弓道部のことか。まぁ、そうだな。まぁ、今日は面白いものがあったが。」 「それって俺のことだよね、ね。」 「さぁ?私は遼一と言った覚えは無いぞ?」 「・・・さいですか」 そういっているわりに楽しそうな顔をしてやがる。完全に俺じゃねぇか・・・ でも、この楽しそうな顔を見ると不思議に怒る気にはなれないわけで・・・ と、そうこうしているうちにパシーンと甲高い音が響き始めた。 どうやら剣道場が近づいてきたようだ―――
/751ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2847人が本棚に入れています
本棚に追加