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そんな男子の姿を感じつつ、姫華の指導は始まった。
弓道部の時もそうだったがやっぱり教える時の姫華は真剣そのものだった。
顔つき、態度、姿勢・・・だが、声だけは無性に優しい。
まるで包み込むかのような・・・そうであって優しいだけじゃない、人を納得させる根拠のある物言い・・・
そういったものが生徒から慕われる理由であり、生徒会長たる特別な力なのかもしれない・・・と、俺はふと思った。
「む?どうした美咲。」
「え、いや、なんでも・・・」
「ふむ、どうやら美咲君も剣道をやってみたいようだな」
「え。」
「本当ですか美咲さん!なら、ぜひ!ぜひこちらに―――」
「さささ、遠慮はいりませんよ!」
「え、ちょ、えぇー」
そういって俺は剣道部の部員たちに連行された―――
姫華・・・さっきまでの俺の関心を返せ。
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