なな、彼女と二年四組・彼と二年一組

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「おっはよー」 『牧野』が扉を開けると、教室はシン、と黙り込んだ。 「おはよぉー牧野。何、なんかいいことあったの?」 流依の肩に腕をかけて話しかけるパーマ。 「え、……いや、なんでもないよ!」 自分が『牧野莉央』だと思い出した天パは、できるだけ明るく絡みを避けた。 「は?牧野のくせにタメ口? うっざ、何なの」 肩を殴るパーマ。崩れ落ちる流依。 「いったぁ……ごめんね、私これからタメ口でいこうと思うの」 なんとか辻褄を合わせようとする流依。 「マジありえないんだけど、キモ。」 ……嬉しい。ドMだとかそういう意味ではなく、周りがはっきりと思いを告げてくれることがとても嬉しい。誰も自分に対する気持ちを我慢せず、自分の目の前で言ってくれる。こんな単純な人間関係があるのか。 「あはっ。」 つい笑いがこぼれる流依。それを見て気味悪がるパーマ。 「いやいやいや、ほんとにキモいって。マジでやだ。怖い。」 「ごめんなさい。これから私、変わっていこうと思うの。でもね、みんなは私に思うこと、全部言ってくれていい。全部言って。ウザイのも、キモイのも、全部。ね?」 ここ、楽。
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