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いち、牧野莉央
私のお友達を紹介します。
我が校自慢の新南第二校舎の裏、古びた西校舎二階の左から二番目の教室からしか見えない花壇のペチュニアとパンジーです。
彼女たちは暖かくなるととてもきれいに咲いてくれます。毎日かかさずお世話していると、咲いたときの感動が違いますよね。
え? 毎日お世話なんて、友達に引かれるって? バカ言わないで下さいな。私のお友達は彼女たち。彼女たちのお世話をしないほうが、嫌われてしまいます。
だからこそ今日は、本当に悲しくなりました。今日は朝から机が土まみれでした。ハッとして花壇に向かうと、パンジーがほとんど掘り起こされていました。ペチュニアはみんな大丈夫だったことが、不幸中の幸いというところです。
私は泣きながら植え替えました。放課後誰よりも早く教室を出て新しいヒナギクを買ってきました。先週買っておいた肥料を、大事に大事に撒きました。
その時、ある人が私に声をかけました。知らない人だったので、私は涙を拭き、できる限り明るく接しました。でもその人は、一瞬も笑ってくれませんでした。 少し悲しくなりました。誰なのかわかりません。学校で見たことがありません。いい人そうだから、今度探してみたいです。
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