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に、前園琉依
誰か、俺を存分に罵ってください。
俺のクラスの人間はみんな汚いです。俺に直接言わずに、裏では悪口を言ってるんだろう? 俺のことなんて嫌いなんだろう? 思っていることは俺に言ってくれればいいと思います。陰で言うのが一番ずるいと思います。なんの証拠も残らないからです。ふざけんなです。
そんなことを考えて庭を歩いていると、いつも目で追っている人に会いました。一部だけボロボロになっている花壇に、優しく肥料を与えていました。いや、彼女にとってこれは『与える』という行為ではなく『あげる』という厚意だったのだと思います。
俺はずっと見ていました。今までずっと見ていました。誰も俺の気持ちなんて分かってくれなくて。とても辛かったんです。
そして先週。俺はやっとあなたを見つけました。すぐに話しかけたい衝動を抑えて、じっと見ていました。あなたはクラスの人にいじめられていたから。みんなが言いたいことを言ってくれていて、とてもうらやましくなりました。
そして今。俺はやっと話しかけるタイミングを見つけました。泣いているあなたは相変わらずきれいで、本当の、冷めた弱虫の俺が出しゃばりました。
俺のこと、わかってくれなかったけれど。
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