First Prologue

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 ……おっかしいなぁ。 俺は今、まだ見慣れない真っ白い門を睨んでいる。 目の前にそびえ立つそれは、城壁のような出で立ちをしていて。 『第四十八回 平成二十Ⅹ年 奥関(おうせき)高等学校 入学式』  門の脇には、極太の黒のゴシック体でそう書かれていた。  …うん、間違いないな。 少し安堵を込め、浅いため息。  でも、こんな時なのに、いったい何であんなことが――。
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