First Prologue

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 前方には新入生の群れ。 さらに奥には、やけに横長の白い紙が6枚、門に行儀良く整列している。  大方クラス表であろうが、門の壁の白が邪魔して、それは白だけの保護色のようにしか見えない。 これが、この門が『白亜門』とも呼ばれるゆえんなのだろうか。  さらに、居座り続けるこの人だかりもまた邪魔だった。  それはさながら、某1ヶ月1万円生活、激安スーパーのタイムサービス。 1円のもやし、9円の豚コマ肉に群がる暴徒である。  で、結論……ぜんっぜん見えない!!  俺がどこのクラスがどこなのか見に行きたいだけなのに、近づくことすら許さないとでも言うのか。 「…クッ――!」  舌打ちとも勘違いされかねない捨て台詞を放った俺は、決死の思いで群衆の中に向かった。  ――その時だった。
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