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鬼が大きな一目で
俺を睨む。
『グロアアアア!!』
来る!!
鬼は俺達の方に突っ込ん
できて、俺に向かって
拳をおろした。
「くっ!」
避けきれず
殴られてしまった。
鬼のパンチは予測以上に…
なんだこれは…
かなりの威力だ。
俺は前に数メートル飛んだ。
いや、ぶっ飛んだ。
走馬灯~~~
なんて、
消え去るぐらいの痛み。
頭が爆発したかのように
痛い。痛い。痛い。
実際にうけたことはないが
車に跳ねられたような
ビルの5階から
落ちたようなそんな
衝撃だ。
いや、
これ以上なのかも
しれない。
痛い。
『ぐわぁぁぁぁ!!』
とりあえず体が動かない、頭から血がどろどろ
流れ落ちているのがわかる。
首が捻挫したか折れているのだろうか?首が…
体はまだ大丈夫のようだ。
「はぁぁー…はぁぁー…彼女だけでも逃がすんだ…」
死力をつくして
地を這い、立ち上がり
彼女の方に歩いた。
彼女は一瞬のできごと
だったのであぜんとしている。
「さぁ…はやく行こう…」俺は彼女の手を取り走った。
彼女は何がなんだか
わからないぐらい混乱したまま、頭から血がでている男に引っ張られた。
あと一発パンチ
をもらったら確実に俺は死ぬ。
足を引きずりながら
逃げている途中に
今日買った赤ペンを
ビニール袋から出した。
一寸法師だ。
体内には入れないが、
「これで…あのギョロ目を…」
刺しに行く!!
痛がっている間に
逃げるんだ。
これが…
last chance…
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