第始章 出会い

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「先に走って逃げて。」 俺は彼女の手を離し その場に止まった。 「で、でもその傷じゃ…」 「…いいから逃げて!!」 俺一人死んで彼女が 助かるかどうか知らないがせめて 彼女を遠くへ行かせる ことはできるだろう。 彼女は逃げようとしない。 「なぜ逃げない?」 「私のために人が死んでいくのはもう勘弁よ!だから私はここに残って、…」 ……彼女が死んでは 俺の覚悟は無駄になる。 早く逃がさないと… 鬼が俺達の方に向かって また俺に殴りかかってきた 俺は反射的に伏せて 鬼のパンチをかわした。 しかし鬼はその瞬間 左足で俺を蹴り飛ばした。 「ぐあっっはっ!!」 俺は、上に浮き飛んで 地面に落ちた。 …目が霞んできた。 蹴りは お腹に当たったのか? 腹に穴が空いたような 感じがする。 目が霞んだ鬼が ボヤけて見える。 ……そうか。 一発目で眼鏡が壊れて 飛んだのか… もう、動けない。
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