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「…はい。」
携帯電話を耳に当てる。
「あ…優斗さん大丈夫ですか?」
耶鉈の心配した声…。
「…心配なんかするな…」
「…え?」
間抜けな声に俺はため息をつく。
「お前に心配される程俺は子供じゃない。」
耶鉈の声を聞くと…甘えてしまう。
自分の闇を相談しそうになる。
耶鉈もきっと…アイツ等と同じ。
「…はは…そう言う意味ですか…」
安心したように息を吐く…音が聞こえる。
『優斗…』
服を引っ張られた。
「…なんだ?どうした?」
またを押さえながらじばたするアズサ。
「…?…?!まさかお前?!…また後で電話する!」
携帯を無造作にベットにほってアズサを抱え…トイレに向かう。
『ふぅ~…』
「はぁ…はぁ…はぁ…」
“なんだ…?”
鼬は俺が息を切らしていることに首を傾げる。
『優斗…電話の人と友達なの?』
急に悲しい顔をして聞いてくるアズサ。
「…あぁ…」
『あ…ピーンポーン
アズサをトイレに置いて玄関に向かった。
穴を覗くと…「耶鉈?」
俺は慌てて洗面所に行きコンタクトを付けた。
そして再び玄関に行きドアを開けた。
「…どうした?急に…」
「…いぇ。用はないのですが…大丈夫ですか?体…」
そんな事か……。
「あぁ…わざわざ悪いな…中…入るか?」
さすがに今は冬…わざわざ来てくれたのに中に入れないのは失礼だし…目立つし…。
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