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魔物ともコミュニケーションがとれる獣人達は、特に不自由は無かった。
なので獣人達はいつの間にか、山から出る理由を無くしてしまったのである。
しかし、少女は違った。
彼女は好奇心から、山から出たくなり、山で出会った奴隷商人に山の麓にまで案内してもらったが、彼女はそこから記憶無くなり、気が付けばこの廃墟に居た。
人間ハコワイ。
そんな言葉が彼女に過ぎっては消え、また過ぎっては消える。
ああ、何て自分は馬鹿なんだろう・・・・・・と、心の奥底から後悔している彼女は、ダボダボ出る涙を拭く
「金板300枚!!」
今日1番の驚きの声が廃墟に響き渡る。
「えー、301枚以上は・・・・・・無理ですよねー!はい終了!!獣人少女は金板300枚で落札!!落札者は疾風の如くさっさと裏口から引き取って早く帰りやがれ♪脱落者は一昨日来やがれ♪」
少女は呆然と周りを見渡す。
この中に自分がこれから奴隷として仕える人間は誰か・・・・・・。
少女は檻の中から周りを見渡す。
しかし、見える筈もない飼い主を探せず、関係者により、奥に連れて行かれる。
途中、少女がお喋りしていたサンダーバードのクウちゃんがすれ違いで連れてかれた。
助けて!と少女に訴えながら。
そんな姿を少女は何も出来ずに見ていた。
泣きながら。
その後少女は、星がキラキラ光る夜空の外に出されていた。
手足は手錠をつけられ、近くの柱に繋げられ。近くには、兵士や自警団対策に置かれた用心棒が立っていた。
同時に金を受けとるのも彼らの仕事だ。
そして遂に、彼女の目の前に黒いフード付きのコートを着て、フードを深く被った男が現れる。
体つきから男だと分かる。
そんな彼は、彼女に見向きもせず、用心棒にかなり膨らんだ袋を5つ程渡した。
「魔術で中を広くしてある。袋が壊れんようにギリギリまで拡張してあるから、油断すんなよ」
そう男は・・・・・・いや、声はそれほど歳はいってないようで、彼は青年。と言った方が合うだろう。
「連れて行け」
両手両足を拘束されていたのが突然引き、気が付けば自由となっていた。
「一応飼い主に逆らえば、爆発する首輪があるが」
「良い、自前の首輪があるから」
そう言うと青年は、少女の手を引き、闇に消えた。
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