0章

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え?行き成り何ですか!?と、戸惑う彼女だが、あることを思いだす。 奴隷は、奴隷として売り出された時点で、名前を捨てられる。 だから奴隷は、飼い主に名前をつけてもらう。 なんて、教えられていた。 (メルルですか・・・・・・悪くないですね♪) 少女・・・・・・いや、メルルがそんな事を思っていると、なかなか返事がかえって来ないのにしびれを切らしたのか、青年は眉を八の字にさせ、口を尖らしながら言う 「気に・・・・・・入らないのか?」 ムスッとしている青年に、やっと彼が返事を待っているのに気が付いたのか、一度だけ微笑み、 「はい、これからはメルルでよろしくお願いします♪ご主人様♪」 いつの間にか恐れが消えた所為か、メルルはニッコリと、ハッキリと笑った。 こんな笑みを向けられたら、健全なる男子なら誰でも顔を赤くするだろう。 青年も例外ではない。 顔をトマトのように真っ赤に染め上げながら、オドオドと先程とは違う、好きな女の子と喋る男子中学生の様な感じで自己紹介を始めた。 「お、オレはステイル=クライスター・・・・・・一応17・・・・・・」 ステイルは少し薄れ始めた真っ赤な顔を、ポリポリと掻きながら言う。 そしてメルルは決める。 こんな主人に買ってもらったのは、どれだけ幸運な事か・・・・・・だからこそ、彼を、ステイルを守る事に決めた。 いつ何時も。 「あれ?そういえば、ご主人様って、お一人でお住みなのですか?このお屋敷に」 「あー、いやー」 「?」 ステイルはめんどくさそうに頭を掻くと、 ちらりとドアの方に向く。 つられて、メルルも見てみる。 「離しなさい!!アリス!!今すぐ宣言しなきゃならないのよ!!ご主人様は私のだと!!」 「ま、待ちなよ!今行ったら主君に迷惑かけないかな!?ボクは反対だよ!!」 「悪魔の私に逆らうとは・・・・・・良い度胸ね」 「悪魔と言っても下級の獣系じゃないか!!」 何やら黒髪のメイド服の女性と、犬耳で、青髪の女性が言い合っている。 メイド服の女性を、青髪の女性が必死に後ろから抱き着いて止めている様に見える。
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