Friend indeed.

4/6
前へ
/115ページ
次へ
「みんな大丈夫か?」 スタジオにて、それぞれの楽器を調整していく。 「おっけー!」 「大丈夫だよ、紀咲くん」 「オッケーだよ」 「いいよ」 みんなの返事を聞いて紀咲がドラムを叩く。それに合わせてギター、ベース。歌が加わる。 俺達の曲は作詞は愁大がほとんどで作曲は俺と流がほとんどやっている。 征光と紀咲はそれに確実に合わせてくれる。 「間違えただろ、流」 「征光も間違えただろー」 「喧嘩しないの、2人共」 「はーい、愁大さま!」 「分かったぁ!」 このやり取り、何回聞けばいいんだ? 「しつこいなぁ」 「ごめんね伊織ちゃん、流が悪いんだよ?伊織ちゃん」 「泣くなよ」 泣いてはいないけど涙目の征光。 「今日の練習はこれまで。帰るぞ」 「はーい、伊織ちゃん」 それぞれに荷物をまとめてスタジオを出ると、外はもう暗くなっていた。 「暗ーい、愁大さま」 「手、繋ぐ?」 「やだー!俺が繋ぐー!」 「止めろよ流!愁大さまは俺のだ流!」 「喧嘩しないの」 「でも愁大さまー」 …懲りないやつらだ。愁大も愁大でなんなんだよ。 小さくため息をつくと同時に前に誰かがいるのが見えた。 この時間に誰だ?と思ったあとすぐに気づく。 「遥希?」 「へ?先輩?伊織ちゃん」 「んー」 何してるんだ? 「遥希!」 そう呼ぶと遥希はゆっくりとこちらを振り返る。
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

59人が本棚に入れています
本棚に追加