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「…伊織?と…?」
俺と一緒の4人を見て首を傾げる。
「俺達バンド組んでるんだ」
「ボーカルの壺坂愁大です」
「伊織ちゃんと同じギターの栢森征光です、先輩!」
「ベースの鞍馬流でーす!」
「ドラムの東之宮紀咲です」
「どうも。三國遥希です」
それぞれの自己紹介が終わったのを確認して、遥希に話かける。
「こんな時間に何してるの?」
「今から帰るところ」
「学校とっくに終わってるじゃん」
「寝てた」
……寝てた?
「中庭の芝生から見る星は綺麗なんだ。それ見ようとしたら寝てた」
「星は見れた?」
「うん」
「そっか」
「伊織達は練習?」
「うん」
「お疲れ様」
「ありがとう。遥希、家どこ?」
「向こう」
指差した方は俺達とは真逆。
「送って行こうか?」
「いい。じゃあまた」
「…また」
歩き出した遥希。
まあ今日は…さようならとしよう。
「帰るか」
そう言うと征光が俺の腕に絡みつきながら遥希を見る。
「なんか面白い先輩だね、伊織ちゃん」
「んー、かもな」
「あの人が好きなんだー」
「ほら、帰るぞ」
チラッと遥希を見て5人で遥希とは逆方向に向かった。
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