Friend indeed.

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「でもでも、先輩格好良かったね、伊織ちゃん」 「ん」 「そう思うよね?紀咲くん」 お風呂上がりの征光はタオルを頭から被りながらにこにこと笑っている。 「でも愁大さまには負けるよね、愁大さま」 「止めてよ、あの先輩の方が格好良いって」 「そんなことないよ、愁大さま」 黙れー。 征光のキャラがなんかおかしくなってるぞー。 「遥希の話はいいから」 「でも本当に格好良かったよー?」 「流も止めろ」 「はーい」 返事をした流はそのまま風呂場へと向かう。 「紀咲、次のスタジオ練習はどうする?」 「バイトか」 「ごめんな」 「いや、いい。伊織も征光も流も頑張ってるし」 紀咲や愁大はバイトをしなくても大丈夫だけど、俺や征光、流はバイトをしないと生活費やら授業料やらが間に合わない。本当は音楽だけに集中したいんだけどな。 「でもみんな決まった日に週2だし」 あまり音楽に支障を来したくないからと、3人で月曜日と水曜日だけバイトを入れることにしている。 「あぁ。あまり無理するなよ。スタジオ練習はいつでもいい」 「明日バイトなんだよね、伊織ちゃん。嫌だなー」 「仕方ないだろ」 「分かってるよ、伊織ちゃん。だから早くデビューしたいね、伊織ちゃん」 「まあな。でもまだまだ俺達じゃ遠いよな」 「そうかもしれないけど、頑張ろうよ、伊織ちゃん」 「分かってるよ」 「いつか大舞台に立てたらいいね」 「そうだね、愁大さま」 「だったら今日の反省しないとな?征光」 そう言ってタオルで征光の頭をゴシゴシと撫でる(?)と征光は悲鳴を上げて、愁大の後ろに隠れて抱きつく。 「ごめんなさい!伊織ちゃん!今日はミスしまくっちゃったけど、次は大丈夫だから!伊織ちゃん!」 みんなでワイワイと遊ぶ姿はまだまだ子供だけど、本当に…いつか大舞台に立てたらいいなって本気で思う。  
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