The tricks played by destiny.

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「どう?もう学校には慣れた?」 「はい」 「松影って言ったら頭良いからな」 バイト先のCDショップの店長さんは気さくに俺に話しかけてくれて、音楽活動も応援してくれている。 「大変だね、伊織くん。勉強も音楽もバイトも」 「でも、本気で音楽を頑張りたいんで」 「いいねー、青春」 そう言ってにかっと笑って俺の肩を叩く。 「こんなにイケメンなんだから彼女もいるのかな?」 「いませんよ」 「そんな暇ないか?」 「まあ」 曖昧に笑うと、店長さんは店内をぐるっと見回す。 「いつかここに伊織くん達の曲が並べばいいね」 「はい。その時はよろしくお願いしますね」 「はいよ!」 「…眠い…」 「大丈夫か?」 「ん。次の授業、何?」 結局バイトの後に家に帰り、ご飯を食べいろいろしてから部屋に行ったけど、ギターを弾きたくなって弾いていたらなんか納得いかなくて…寝たのが今日になってしまった。 「文化祭の出し物決めだって」 「あー、寝よ」 バタッと倒れた俺。 文化祭はなんだっていいや。バンドが出来れば。 「はい、じゃあ文化祭の出し物を決めたいと思います。みなさん何がいいですか?」 「お化け屋敷!」 「えー、だめだよ。ほら、あの子達いるから」 あの子達、と言われて指を指されたのは伊織、征光、流、紀咲、愁大。 もちろんみんな机に突っ伏して眠ってしまっている。 「そっか。じゃあカフェなんかはどう?イケメン揃いのカフェ!」 「それでいいじゃん!もちろんウェイターは5人ね!」 「よし!じゃあ決まり!」 5人が寝ている間に文化祭の出し物はカフェに決まり、ウェイターも5人に決まってしまった…。  
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