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今日もスタジオ練習の後、真っ暗な道を歩いていると前を歩く人がいた。
どんなに前が真っ暗でも分かる。
「遥希」
そう呼ぶとその人は振り返って…走って来た。
走って来た!?
なぜだかスタジオ練習終わりなのにメンバーはいないし。
「伊織!」
そう言って…抱きついてきた。
へ!?なんで!?
「伊織のこと、ずっと待ってたんだからな」
「ご…ごめん…」
なんでこんなに甘えてくる?媚薬でも飲まされたか!?
でも…可愛い…。
「遥希、寂しかった?」
「ん…」
「遥希」
「ん?」
俺に抱きつきながら顔を上げて首を傾げる。
「キスしていい?」
聞くのもおかしいけど。
でも、遥希は一瞬驚いた顔をした後、にこっと笑って目を閉じた。
可愛い!!可愛すぎる!!
了解を得たというわけで…俺は遥希の頬に手を添えて近づいた。
「伊織ちゃん?」
「へ?」
なんで遥希が征光と同じ呼び方で俺を呼ぶ?
「伊織ちゃん!」
その呼び声に遥希の姿は消えてしまった。
そして目を開けると眩しい光。目の前には征光、流、紀咲、愁大。
「あれ…遥希は?」
「先輩?いないよ?伊織ちゃん」
「寝ぼけてるのー?」
「のろけないでよ、伊織ちゃん」
「別にのろけてないけど…」
体を起こしてぐーっと伸びをして紀咲を見る。
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