Determine fate.

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「入学式早々遅刻したら最悪だろ」 「間に合って良かったねー」 「全くだ」 俺達5人は今日から松影学院高等部に入学する。 松影学院は普通科と芸能科の混在した学校だ。 芸能科に入れるのはテレビやらに出ていて登校が不規則になる生徒が通う。 芸能科があるせいか普通科はめちゃくちゃ頭が良い。 勿論俺達は普通科だが、みんな芸能科希望の普通科だ。 俺達5人はずっと前からバンドを組んでいてデビューするのが夢だったりする。 一応紹介だけ。バンドというのはリーダーが俺、伊織で上手ギター。下手ギターの征光、バンドの時は由希『ユキ』。ベースは流。ドラムは紀咲。ボーカルは愁大、バンドの時は柊『シュウ』。 そして、バンドの名前はAROW『アロウ』だ。 と、まぁこんな感じ。 「きゃー!」 「来たわよ!」 「格好良いー!」 俺達が校門より30メートル手前の角を曲がったところで物凄い声援を受けた。 「あれってー2、3年生のお姉様達だよねー?」 「みたいだね」 顔をひきつらせる流に余裕そうに笑う愁大。 「俺達ってそんなに有望な入学生なのか?普通科だけど」 「学科なんて関係ないよ、伊織ちゃん。俺達の歌はここまで広がったんだよ、伊織ちゃん」 そう言ってニコニコ笑う征光。いやでも…おかしいだろ、この声援。 そして10メートル手前に来たところでみんなが一斉に駆け寄ってきた。 「こらこらみんな押さない」 優雅な愁大。 「俺は逃げないよー」 にっこり笑う征光。が… 「遥希くんー!」 駆け寄ってきた女達は俺達を完全スルーした。 「なぬ!?」 みんなして後ろを振り返るとミルクティブラウンのさらさらな髪をした男がいた。 「あ……」  
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