Sec. I  -知沙の場合-

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「俺が知沙のどこに惚れたと思う?」 「え。分からないけど言ったことあった?」 「ないよ。ないけどお前の頑張るとこ見てると 俺も頑張らなきゃって思うし お前のこと守ってやりたいって思うんだ」 なんだか凄く嬉しいこと言われてる気がする。 着古したパジャマ姿でプロポーズなんて なんだか人には自慢できないけど。 「ほんと俺が惚れてるの。 だから離れていたって大丈夫だよ。信じあっていればさ」 「うん」 だいじょうぶ。大丈夫。 心の中に生まれた暖かい気持ち。 信じあっていれば大丈夫。 自分に言い聞かせるように何度も心の中でつぶやいた。
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