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しばらくは雑談をして過ごしていたが、ユーリがロイに言う。
「それじゃ、俺明日仕事あるからもう休むわ」
「あ、そうなの?僕も仕事あるんだよね~。おかみさん、部屋あいてるかな?」
ロイの言葉におかみが申し訳なさそうに口を開く。
「…悪いんだけど、今日は満室なんだよ」
「…」
ロイは絶望した。
プッ
そんなロイの顔にユーリは吹き出す。
「マジで不幸(笑)」
「そ、そんなぁ…今からじゃ他の宿探すなんて…」
「あんたの部屋に泊めてやったらどうだい?ツインだろ?」
おかみがユーリに言う。
「はっ?やだよ!俺だってシングル空いてないからツインにしただけで…」
「それでも料金はツインなんだから、割り勘にすれば安く上がるだろ?」
ユーリは悩む。
ロイは捨てられた子犬のような瞳で祈るようにユーリを見ていた。
「…」
眉間にしわを寄せてしばらく悩む。
人の気配があると熟睡できない性格。
しかし、料金割り勘は悪い話ではない…
「分かったよ!部屋代割り勘と明日の朝飯で手を打ってやるよ!」
それを聞いたロイは嬉しそうに笑った。
「これも何かの縁かな♪神よ、感謝します…」
ユーリはロイの言葉を聞きながら、今日は熟睡できないと小さくため息をついた。
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