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そして青年は黒崎の前へと歩き出し、止まる。
「今は構いません。いずれ貴方はこちら側につきます。必ず」
青年は意味深な言葉を口にした。黒崎には嫌な気がしてなら無かった。
しかし、黒崎には関係ないのである。もう既に、軍とは縁を切ってあるのだから。
“聖魂”として暮らしているのだから。
雨はまだ降り続いていた。
嫌な雷の音が耳に響いたと思った瞬間、黒崎の前から男は消えていた。USBメモリーと共に。
雨の降らない聖魂市街で、雨が降るというのは不吉な出来事の始まりを告げるものだ。
いつか、誰から聞いた言葉が、黒崎の脳で響いた。
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