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その世界はいつでも晴れ渡っている。真っ青な空に輝く太陽。 しかし今日は嵐のような雨である。 部屋の窓はガタガタと音を立て、更に雨の音がするものだから、その部屋は騒がしい。 白で揃えられた清潔感溢れるその部屋のソファに、そしてもう一人は向かい側のソファに座っていた。 間にあるお洒落なテーブルには、たった1つ、白いUSBメモリーが置かれている。 「…まるで1000年前のようだな」 漆黒の髪をした少年が呟いた。 恐らく整った顔立ちをしているのだろうが、片目は髪で隠れており、表情はあまり窺えない。 相手の青年はニヤリと口元を緩めた。
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