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もう一つは、あの軍を敵に回したところでこちら側に勝ち目はない。そうであってほしいと黒崎は信じている。 黒崎はじっとUSBメモリーを見つめた。 世界を潰すわけにはいかない…。 「彼奴は元気か」 黒崎の口から出てきたのは、それだった。彼奴、とは青年の言った“黒崎の愛する人”である。 1000年前も同じやりとりをした。 だが今回は… 「それはこのUSBメモリーの中に全て…」 事情が大きく違っている━━。 「ふざけんじゃねぇぞ」 白いテーブルをバンッという音を立てて黒崎も立ち上がった。
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