始まり

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収録の休憩中、植木は荷物から一枚の紙を取り出して溜め息をついていた。 「植木先生?何かありました?」 大多和が缶コーヒーを片手に持ちながら植木の隣に座る。 「大多和先生、これどういう意味だと思います?」 植木に持っていた紙を手渡された大多和は思わず口を押さえた。 ーずっと、貴女をみていますー B4程の大きさの用紙に一行だけ印刷された文字。 「朝これ一枚だけがポストに投函されてたんです」 「封筒とか差出人は?」 「なにもなくて…」 植木が困惑した表情で首を振る。 「気味悪いわね…」 「どうかしたの?」 二人に声をかけたのは、評論家軍団の重鎮、池田だった。 .
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