始まり

4/8
前へ
/34ページ
次へ
大多和が植木の顔を見る。 植木は今にも泣き出しそうな顔で頷いていた。 「植木先生に変な手紙が届いてて…」 「何だこりゃ」 大多和から手渡された紙を見て、池田が頭をかいた。 と、廊下向こうから澤口が歩いてきて池田が彼を呼び止める。 「おーい、澤口くんちょっと」 「はい?」 池田は例の紙を澤口にも見せた。 澤口は眉を寄せて顎に手を置いた。 「植木先生のとこに来たんだって」 「植木先生に? 何か恨み買う事したんですか?」 澤口のデリカシーのない台詞に植木はとうとう顔を覆ってしまった。 「澤口先生ひどいっ」 大多和が励ましながら、澤口を睨み付ける。 「あら、どうしたの?」 次に来たのは尾木だった。 .
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加