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そのおかげか新聞テレビ等のメディアには、我が社の存在は極々わずかしか露出しておらず、思いのほかクレームが来ないので助かっている。
恐らく……我々関係者への配慮ではなく、現代医療を支えている人間牧場の存在が揺るがないように、世論から守るためだろう。
「……何も解決していないな」
屋敷での発砲事件による風当たりを警戒し、我が社ランツゥは営業を停止した。
しかし依然として人間牧場は機能していて、商品の彼らは今日も明日も変わり無く、我々の血となり肉となり続ける。
単に薄汚い政治家の、薄汚い野望が崩れ落ちただけだ。
「……死神まがいの商売に手を染めておいて、このような事を考える私もしょせん、偽善者なのかもしれないな」
現実はシビアであり、一社会人である私には、感傷にひたっている暇など無い。
それを思い出させるかのように、またしても電話が音を立て、私の心臓を締め付けた。
「……やれやれ」
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