プロローグ

2/4
前へ
/32ページ
次へ
今日もまたいつもと変わらない一日が始まる。 楽しいことは毎日同じことばかりで。 だからまた今日も―― 学校行くのダルいなぁ… そんなことを考えて、曲がり角を曲がる。 すると少し先に、七月の暑さにやられて、ふらふらと歩いている親友を見つけた。 「あーおいーー!」 僕は走って櫻井蒼(サクライ アオイ)の横に並ぶ。 「…すまん。 誰だっけ?」 「僕だよ、僕! 商店街を通ると皆が振り向く、田中広大(タナカ コウダイ)だよ! 世界の中心でイケメンと叫ばれた、田中広大だよっ! 朝から冗談きついなぁ、ははは」 いつも通りの、誰だ?、攻撃。 初めはダメージがでかかったが今は何てことはない。 五年前、僕達が知り合ってから一週間に一回は言ってくるから慣れたのだ。 全く、慣れとは恐ろしいものだ。 蒼とは中学のときに知り合った。 明る過ぎてなのか、ただ単にウザいだけだからか。 クラスで浮き気味の僕と仲良くしてくれる、大切な親友だ。 「…あー、思い出した。 なんだ田嶋かよー。 早く行かないと遅刻しちゃうぜ。」 「田嶋じゃねぇよ、田中だよ! 田嶋は中三のとき同じクラスだった天然キャラのやつな!」 ‥‥親友だ。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

102人が本棚に入れています
本棚に追加