夕焼けこやけ、またあした

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あのおっきなトマト、食べられるかな? 私は真っ赤に熟れたトマトに手を伸ばす。 でも大きすぎて届かない。 「ニャア~…!」 力を入れるために声を出したら お肉の焼けるいい匂い。 あ、あっちだ! …あれ?こっちからはお野菜の煮えるいい匂い! そっかぁ、夕飯の時間かぁ。 あっ!足音がする! こっちに走って来る! 足音がする方に振り返ったら 「ニャ!?」 トマトが食べられちゃった!私の分が半分も食べられちゃった! 『のら~、こんなとこにいたっ』 呆然としていたら、ふわりと体が浮かんだ。 「フニャあ~!」 離してよー!私のトマトが食べられちゃうじゃない! 思いっきり暴れる私の体を、声の主は優しく包み込んだ。 『のら、ほらトマトっ』 あれ?…なぁんだ、おひさまくん。 おひさまくんっていうのは、ちょっとおっきなお兄ちゃんで私と遊んでくれる優しい人なの。いつも大好きなトマトを持ってきてくれるのよ。 「ニャア~」 ありがとう~って行ってほっぺにちょんちょんって触ったら おひさまくんはにっこり笑ってくれた。 それから 私は土管の上に座ったおひさまくんの隣で トマトにかぶりつく。 土管の近くにはおっきなポプラの木があって、 私はいつも、それにもたれながらおひさまくんを待ってる。
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