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翠の家から離れた大きな広場で祭りは行われて居た。たくさんの出し物で賑わうそこには、舌を無くしたヘビ男や、足のない玉乗りなどが大道芸をしたり、赤やピンク、水色のパチパチした大きな飴を売っている双子の兄妹。風船で空を飛んで、星を降らしている猫。それを見て楽しんでいる大人や子供。この世界の殆どの住人達がこの一大行事に参加している。
その中に、翠と暁月も少なからず楽しみながらいろいろな出し物をみていた。ただ翠は先程の暁月の行動で、未だに顔が赤らんでいた。
「ね、あの綿あめ食べたい!買おうよ!」
「いいけどお腹壊さないでね?」
子供の様に楽しんでいる暁月を見ていると、なんだか暁月のお母さんにでもなった様な心地がして、段々と顔の赤みも引いてきた。
暁月が見つけたのは七色に輝く綿あめでその中に子供用のアクセサリーが入っている物だ。
「翠とお祭りに来れるなんて嬉しいなー。来年も一緒がいいな。」
買った綿あめを美味しそうに食べながら、暁月はぷらぷらと繋いでいる手を揺らしながら言う。
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