165人が本棚に入れています
本棚に追加
桃の押し売り、お断り
私のイヤミも、完全スルー
『なる程、父親に聞いた以上のじゃじゃ馬だな。籐 漣歌。』
ん?なんで、私の正体知ってんだ?
父親に聞いたって、言ってたよな…。くそオヤジ何吹き込みやがった!
まぁ、とりあえず聞いてみた
『聞いたって、何をですか?』
『隙あらば、屋敷から脱走し。見合い話は、すべて破談に持ち込み。あまつさえ、林の中で堂々の昼寝……』
(すげ~、だんだんこの部屋気温下がってきてるよ…
イヤミ言ってる顔が、怖!
口元だけニヤっと笑ってるし…。
秀麗ちゃんよく、働けてるよね~。
でも、たしかに、顔はかなりの男前だよね~。
体型もデスクワークなのに引き締まってるし。
結構、私のタイプなんだけどな~。
年より若く見えるのも良い…
勿体無い…本当に勿体無い…。
人間あまりに苦労するとこうも性格が…。)
な~んて、事考えながらじ~っと顔を見てたら
『ふふ…、皇毅。
お嬢さん、君の話全然聞いてないみたいだよ。』
ほけ~っとした声が…
『晏樹…、何しに来た。すぐに、出ていけ!!』
葵長官の機嫌はますます急降下中であるが、さすが桃仙人様完全スルーで満面の笑み…ただし、目だけは、笑ってないけどね。
『だって、泣く子も黙る。
御史台長官の君にさぁ~、負けず会話できる子なんてなかなかいないよね~。
ちょっと、気にいっちゃた…。』
『晏樹…、コイツは今取り調べ中だ。
』
えぇ~っ、私 取り調べ中だったのか!?何…?彩雲国では外で昼寝したら犯罪になるのか?
イヤイヤ、そんなワケないだろ?!
鬼畜長官一人なら
最悪、牢屋に二三泊して
もれなくクソオヤジのお説教で済みそうだ。
しかしまさかの、桃仙人事晏樹様まで登場されちゃった!!
ややこしずきだ!
逃げるぞ!!
幸いに、鬼畜と桃仙人は仲良く?お話?中だし扉開いてるし…。
そ~っと、後ずさりしながら扉に近づいて……。
扉に着くと、クルッと体を回転して死ぬ気で逃げ出した!!
この際、濡れネズミ状態は気にしてられるか!!
最初のコメントを投稿しよう!