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     ~2~ 「みんな、おっはよーございまぁす!」 いつも以上にテンションの高い先生が教室に入ってきた。 数名は返事をしたが大半はまだ友達と話している。 いつもと同じ光景だ。 そして、ここで先生が、元気がないなー、とか言いながら出席をとるはずだ。 とるはず…だった。 先生が言った言葉は、元気がないなー、ではなく、勿論、元気ですかー!!でもなく、転校生がいますよー、だった。 クラスが一瞬静かになった。 「え…誰?」 一人のクラスメイトがそういうと、次々に口を開き、言葉を発した。 先生は、 「ふふふふふふ…」 と不気味に笑うとドアのほうを向いて言った。 「笹川さんたち、入ってきて」 そういわれるのを待っていたのか、一人の少女と一人の少年が教室に入ってきた。 最初に少女のほうから自己紹介をする。 「笹川純です。好きなことは体を動かすことっ!どうぞ、よろしくお願いしますっ!」 純はにっこりと笑って言った。その瞬間、数名の男の頬が紅く染まる。 そんな中、僕らはというと… (あ…この人苦手だなー…) と、思っていた。 …顔にでていたかもしれない。 そんなことをおもっていると、もう1人の方が自己紹介をはじめた。 「笹川葵、好きなことは、純とは真逆の静かなこと。主に読書とか。どーぞ、よろしく」 眼鏡をかけている葵はちらっと周りを見渡した。 きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!という女子の声を聞きながら僕らは思った。 (何?この人…何か…不思議な人ー…)
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