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キーンコーン
「やばっ。僕、教室に戻りますね」
「うんっ。またね~」
ふぅ。嵐がやっと去っていった。
がたっ
私の席の前でイスを引く音がした。前に誰が座っているのかと気になり前を向いてみるとなんとそこには…
「よっ」
「あ…。私の席の前って騎士くんだったんだぁ~…」
げっ。こいつが私の席の前だったのかよ…。
私は一生懸命笑顔を作った
「なんだよ。露骨に嫌な顔しやがって…」
「え?いや別に…アハハ…」
ばっばれてる…
右は執事くん❤。前はテンション高めのフレンドリー男…。何この組み合わせ…。
ガラガラ
ドアを開ける音とともに担任が入ってきた。
「では、号令をかけるぞ。起立、礼、着席。では、学園祭になにをやるか、それのグループ分けまでこの時間でやるぞ」
学園祭、グループ分け…。執事くんに近づくチャンス!
「はーい!はーい!」
「桜川さん。なんですか?」
「お化け屋敷がやりたいです!」
「おっいいねぇ」と一人の男子が言いだすと、みんな賛成してくれた。
よし。これで執事くんと同じ班になりさえすれば…❤
「あのっ、執…執…」
キュ~。ヨロッ…私はそのまま騎士がいる方へ倒れこんでしまった。
「おっと。大丈夫か!?顔真っ赤だぞ」
「らっらいじょうぶだから、はんしれ~」(大丈夫だから放して)
どっどうしよっ。ろれつがまわらないよ~。こいつの前でこんな恥ずかしい所見られるなんてもう泣きたい気分だよ…
「いやいや、大丈夫じゃないだろ…」
「らいじょうぶ~」
「はいはい…さてと、俺と買い出し班でもやるか?」
「なっなんであんたなんかと
!」
しっしまった。つい本音が…
「は?だって残ってんの買い出し班2名って所だけで、俺らしか残ってないぜ?」
えっ!?うそっ!?
私は今まで体を支えていたあいつの腕をふりほどいて黒板をみた。
げっ…マジだ…最悪~。執事くんと同じ班になるために提案したのにぃ…。よりにもよってこいつと同じ班で2人だけだなんて…。トホホ…
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