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んー藤井のナツ嫌いも相当だけど明さんへの苦手意識もなかなかだよな。
藤井が明さんを苦手になったのは初めて会った日。
俺が仲良いって話したら一緒に行くって言い出して、で行ってみたら明さんに抱きつかれ頬にキスされましたっていう…
「あの人にとったらスキンシップじゃん?」
「やめろ!思い出させんな!!」
キモいキモいとぶつぶつ呟きはじめたよこれトラウマってね?
「あきさんって女?」
藤井の反応に怯えながら如月が聞いてきた。
ああまあ話だけ聞いてればそう思うか。
けどどう言えばいいかな…
この学校男以外居ないんだ。生徒だけじゃなくて教師もその他従業員もみんな男。まあだからこそのビーエルってね!
「んー、まあそう…」
「ただのオカマだ」
ちょっと藤井せっかく俺が言わなかったのに。
「それ言ったら明さん怒るぞ」
「化け物じゃなくて人に例えただけいいだろ」
そう言いつつ汗だくです藤井。怖いなら言わなきゃいいのに。
「オカマ?」
あ、如月が引いてる。
「それ言わないで明さん怒るから」
「…わるい」
あらら完璧畏縮しちゃってるよどうしましょ。
「マジでこわくないんだよ?そりゃオカマって言ったり貶されれば怒るけど、好きな人には一途だし一生懸命だし」
可愛いよ?と言うと二人に変な顔されました。
藤井はともかく如月まで…
恋する乙女はみんな可愛いんだぞ?!あれ違う?
まあとにかく、荷物届いたら行かなきゃなんだし、なんか持ってこうか。
うーんケーキはなあ…一昨日作ったばっかだし。あ、姉ちゃんにタルト作んなきゃだった。まああの人は置いといて、なんだろ?何がいいかな。
「藤井ー、」
「なんだよ」
「何食いたい?」
「朝比奈も飯作るの?」
「ああ違う違う、お菓子。如月なに食いたい?」
如月見ると目見開いてらっしゃいます。まあ男で菓子作り趣味ってあんまないしな。
風紀の長沢は別として。
「…大人向けのお菓子ってなんだ」
「またそれ?大人になんかあんの?」
しかし藤井は顔背けて答えない。
なんだよなんで歯ぎしりー?俺なんか悪いこと言った?
「まあコーヒーゼリーとか?けど藤井苦いの嫌いだろ」
「………」
さらに歯軋りひどくなりました。なんなのコワイんだけど。
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