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「ごめんね森ちゃん、大丈夫?」
「平気だって。これでも男ですから」
とはいいつつ結構痛い。
現在こぶが浮いた頭冷やしてます。
「まあダーリンは人がいいから!そんなダーリンが好きなんだしね。問題はあいつよ!!」
「あいつ?」
どうやら件の飲み相手を言ってるらしい。
久しぶりにキレかかってる明さん見た超コワイ。
「昔っからそうよ何かと邪魔してきて!あたしとダーリンが二人でいると必ず入ってくるのよ?あんのお邪魔虫!」
「えーと…ちなみに男?」
「そうよ!!」
なんと明さん三角関係だったらしいそれは知らなかった。
「昔からってことは高校の同級生?」
「ええ、あいつとダーリンとあたしの三人ここの卒業生よ」
「そうなんだ!!」
さらに新事実!!
「あら?言ってなかった?」
「わかんない俺が聞き逃しただけかも」
しかしそんな情報を知らなかったなんて俺ってば…腐男子失格。
「じゃあダーリンの名前も知らなかったかしら?」
「あ、名前は知ってるよ。いわおちゃんって明さん言ってるの聞いた」
「そうそう、上が山の『巌』。フルネームで『飛田巌』」
………
「ええええええええええええええええええええええええっっ?!」
「わっ!なに?!」
「飛田さん?!飛田さんが明さんの好きな人?!」
「そうよ?巌ちゃんと知り合い?」
「うん!」
ええええ?!まさかまさかの飛田さんですか!
飛田さんモッテモテ!!
…てか飲み行った人って…
「明さん、」
「なあに?」
「その…お邪魔虫さんは…」
あ、顔が般若。
「間宮よ。間男のまで間宮」
間男て。てか、間宮が…
ええええええええ?!
マージーでー?!
「明さん間宮と同級生なの?!」
「そうよ残念ながらね」
「じゃあ…」
その先を言う前に気づいて口を塞いだ。
明さんは知ってるかわからないし…
しかし明さんは俺の頭の中を見たのか言おうとしてたことに答えた。
「知ってるわよ」
「え?」
「あの鳥男がダーリンのこと好きって。ダーリンは気づいてないけど」
「………」
なんでわかったんだろう?
…けどそっか、そうだったんだ。
明さんも間宮も、飛田さんが好きで。
明さんは告白してフラれて。
間宮は告白してないし、飛田さんも気づいてない。
けど、どっちもまだ飛田さんが好き。
…何年も何年も、ずっと好きだったのか…
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