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推測でしかない、ただの俺の思い込みかもしれないけど… けど、やっぱりあの時の俺は最低なこと言ったんだな、と思う。 ……… あー!!駄目だ、頭が破裂しそうだ。 つかなんだ、身体がムズムズする! 「明さん!」 「きゃっ?!どうしたの森ちゃん」 「これお土産のゼリー。良かったら食べて。で、これが姉ちゃんから」 「あ、ありがとう。キャーこれこれ!ここの購買化粧品の品揃え悪いんだもの!」 「でさ!」 物色中悪いですが、 「間宮のこと、呼んでもらえないかな?」 あ、ぽかんとしちゃった。 現在11時。 お昼まであと少し。 「なにする気?」 間宮の呼び出しをお願いした俺に明さんが聞いてきた。 真剣な声で。まっすぐ俺を見ながら。 「俺、昨日ひどいこと言ったんだ。だから、間宮が落ち込んでたっていうならきっと俺のせいだと思う」 「………」 「俺、間宮に謝りたい。けど、もっと言いたいことがあるんだ!」 「…それはなに?」 「………」 「言いづらいことなの?」 俺、首突っ込み過ぎだよな。 けど、どうしても言いたいんだ。 間宮が飛田さんを好きだって気持ちは、きっと本気だから。 本気だから、伝えたい。 何も言わない俺を見ていた明さんだったが深々ため息をつくとわかったと了承してくれた。 「いいの?」 「別にあいつを庇う義理ないもの。それに、」 「それに?」 「森ちゃんは傷に塩塗りこむ子じゃないからね」 そしてどう言ったのか、明さんが呼んで数十分で間宮は来た。 何故か飛田さん付きで。 ……… ええええええええええええ?! ちょっ、たしかに昨日飲み行ったとは聞いてたよ?! けどこれじゃまるで二人朝帰りじゃないですか! ほら!明さんも血管浮いてるし! 「森じゃねえか。おまえら知り合いか?」 「まあ、お茶友です。ところでお二人は…」 「ダーリン」 遮られました明さんのこんな低い声初めて聞いたよ? 「ちょっといいかしら?」 「なんだアキなに怒って…」 「いいからいらっしゃい」 そう言って飛田さんを拉致る明さん。飛田さんわけもわからず連れてかれてるよ。あの感じだと後ろめたいことはないみたいだけど… 「森ちゃん、」 二人を見送っていると、明さんがこちらを振り返った。 「後でね」 笑って手を振る明さんの声はいつもと同じ、ハートマークを浮かべていた。
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