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うーん止めたいところだけど事情がわからないのに割って入るのもなあ…
そう考える俺の耳に数人の話し声が届いた。
「…にさまだ…」
「…く…ろよ…」
周りに聞こえないよう意識してるんだろうか?ひそひそと喋るそれは所々しか聞き取れない。
つかどっからだ?
辺りを見回しても誰も居ない。
んー?けど確かに声がするんだよなあ…
「いいから敦に近寄るな!」
「なんでおまえがんなこと言う」
あっちの声はよく聞こえるけど。
「そうだはやく離れろ…!」
おっと今度は聞こえたぞ?
上の方から。
………
まさかと思い隠れていた木を見上げる。
そこには何故かオペラグラスを構えた男子数人が登っていました。
っていやいやいやいや!!
何やってんの皆さん!
あ!この子達たしか親衛隊だ!桐渕の!
本人猿みたいだからって君らまでなる必要なくない?!あ、猿みたいに俊敏てこと。悪意はないよ?
ってそれはどうでもよくて。
そこ危ないよ?いくら君たちが細くてちんまくて枝太くても五、六人も乗ってたら折れるって。
もっとこうさ、そうそうせめてあそこの藪とか…
…先着がいました。
今朝見たなあの子たち。長沢の親衛隊か。
…なんだいまって覗きブームか!!みんなオペラグラスとか望遠鏡必須なの?!そのうち授業になるんじゃね?!えー今日はいかに隠れやすくて見つかりにくいポイントの探し方~とか先生言いだすんじゃ…
なわけねえよ。
つか俺も人のこと言えないじゃーん?ははは。
無性に切なくなって思わずため息をついた。
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