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あ、そうだよこの子達なら事情知ってんじゃね?
そうじゃん俺ってば馬鹿だなー!
…まあ色々脚色された説明になるだろうけど。
ま、そこら辺は仕方ない。とりあえず状況を把握しないとー…
その時、何かがぶつかる音と倒れる音が聞こえた。
音のした方を見れば、身を乗り出した桐渕、それを止める長沢、そして…地面に膝をつく恵くんの姿…
いい気味だとか、桐渕を賞賛する声が耳に入る。
「凪やめろ!」
「なんだよなんで敦が庇うんだよ?!」
「それは…っ、いいからやめろ!」
「いやだ!!」
長沢の手を振り払い顔を伏せる恵くんの胸ぐらを掴む桐渕、そして先ほどしただろう、同じように拳を振り上げた…
ぷっちーん…
「ざっけんじゃねええええええええええええええええっっ!!」
上や下から雑音が消える。
目を丸くした長沢と桐渕がこちらに気づいた。
そして俺は肩を小さくして来るはずだった痛みを堪えようとしてた恵くんのところまで走った。
突き刺さる視線を無視し恵くんと桐渕のそばに立つ。
唖然としながらこちらを見る二人の間に手を伸ばし、思い切り引き剥がす。
力が抜けてたのか桐渕の手はあっさり離れた。
「大丈夫恵くん?」
恵くんを改めて見るとぽかんとしてる頬がすでに腫れ始め、眼は軽く滲んでる。
とっくにMAX超えてる怒りバロメーターはさらに火を噴いた。
「なんだよおまえ!」
後ろでキーキー喚く桐渕を振り返りその目を睨む。
特に怯むこともない桐渕はさらに何か言おうと口を開いた。
「なんだって聞いてんだろ…」
「なんだはあんたの方だろ!!」
俺の声に桐渕の声はかき消された。
「なにがあったか知らないけどな、あんた自分のことわかってる?!族入ってヤンチャやってる奴が素人相手に、しかもこんなちっさい相手に殴りかかるとか、何考えてんだ猿!!」
「…な、だ、誰が猿だ!」
「猿だろうがキーキー騒いで暴れて!人間ならもうちょっと考えて行動しろ!!」
「俺は人間だ!」
「だったらもっと自覚しろ!考え無しに拳使うな!そんなん猿だってやってるわ!」
「猿さる言うなのっぺら顔!」
「うっ…!い、いま顔関係ねーし!おまえは猿か人間かって話だし!」
「うっせえのっぺ!!」
「すでに悪口じゃねえよ!それどっかの郷土料理だよ!!」
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