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「あ、あの…」
いつの間にかガキの喧嘩みたいになってた俺と桐渕に遠慮がちに話しかける恵くん。
「なに?恵くん」
「おまえは黙ってろ!」
「だからあんたそうやって威嚇すんなよ!言い方とかあんだろ?!」
「じゃあなんて言えってんだよ?!」
「あんた可愛いんだから笑って一言待ってて言えば十分だよ!!」
「はあ可愛い?!…は?」
「だから、可愛い顔とか格好なんだからもう少し愛嬌持てよっつってんの!そうすりゃ武力行使しなくても乗り切れることいっぱいあんだろ?ヤンキーだからって必ず暴力で落とし前つける必要ないんだからな!!」
「………」
「おい聞いてんのか?!」
「…おまえ、」
ん?桐渕が黙ったと思ったら長沢ですかなんですか。
てか二人してそんな凝視しないで。何俺そんな顔ですかうっすい面してますか。
「サトシって知ってるか?」
「は?」
サトシ?
あれですか、赤白とかのボール投げてモンスターバトルする主人公ですか?
「…知るわけねえよな」
そう呟く長沢はどこか寂しそうで、隣を見れば桐渕も同じように視線を落としていた。
………
え、これ俺悪いの?
えっとサトシって知り合いはたしか居なかったと思うけど、嘘でも知ってるって言った方が良かった?
つかなんで二人とも沈んでんのさこれじゃ端から見て俺悪役じゃあああん!!いや正義のヒーローになったつもりもないけども!
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